羽人・UJIN
羽人・UJIN

オンラインカウンセリングのカナムーンです。
大阪市立美術館がリニューアルされ「What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!」が開催されるというニュースを見て、どのような珍品があるのだろうと興味を持ちましたので、春分の日に行ってみました。写真は大阪市立美術館の広報大使になっている、青銅鍍金銀(せいどうときんぎん)でできた羽人(うじん)です。
羽人は、中国の仙人の一種でとがった耳が特徴です。見た目には大きく見えますが、高さは9.5cmしかありません。なんだか宇宙人のような様相で、じっと見ていると愛嬌さえ感じてきます。だから、広報大使を命じられたのだろうと想像してしまいますね。この羽人は約2,000年前の後漢時代に作られたようですので、約2,000才の仙人といったところでしょうか。
仙人とは、道教における理想の人物像で、もともと人間だった人が、世俗を離れた奥深い山に住み修行を行うことで、不老不死や飛翔能力などの仙術を身につけた伝説的な存在のようです。生きるために殺生して物を食べる必要がなかったことから「霞(かすみ)を食う」という表現も生まれたようです。空気中にあるエネルギーを食べていたのでしょうか。
この道教という思想は、紀元前5世紀頃の老子に由来した中国の伝統宗教の一つです。私は老子の宇宙的な思想が好きなので、羽人も何だか身近に感じるのかもしれません。どうして老子が宇宙的な思想なのかというと、道教の基本となる考え方である“道(みち・タオ)”に起因します。老子は、道とは天地万物の根源であり、名前もなく、説明もできない、超感覚的な原理であると説いているからです。
そして、この道に従う人は目的を果たすだけであり、それ以上を求めない人であるとして、自己顕示欲を戒めています。老子の次の言葉にそれが表れています。「つま先で立ち自分を大きく見せようとする者は長く立ち続けることができず、大股で歩き焦って先を急ごうとする者は遠くまで行くことができない。自分の行動をよしとする者はかえって世の中から遠ざけられ、自分を正しいと言い張る者はかえって正しいと認められず、自分の才能を過信する者はかえって長続きしないものである」という言葉です。
何事も作為的に物事を行うことなく、あるがままの姿で足るを知りながら、水のように柔軟に自ら然りという生き方をすることが、この世の原理なのかもしれないと、改めて羽人を眺めながら考えた大阪市立美術館での春分の日の一日でした。
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