辻井伸行さん
辻井伸行さん

オンラインカウンセリングのカナムーンです。
先日、辻井伸行さんの日本ツアーに行ってきました。パートナーが兼ねてから「辻井さんのコンサートへまた行ってみたいなあ」と言っていたので、チケットの抽選予約に申し込んだらラッキーなことに当選したことから、行く機会を得ることができました。私は辻井さんのコンサートは初めてでした。
辻井さんのことはテレビで見て知っていました。彼は盲目のピアニストで、お母さんが彼の幼少期におもちゃのピアノを買い与えたら、教えることもしていないのに、ピアノを弾き始めたというエピソードを今でも鮮明に覚えています。彼はピアノを弾くために生まれてきたのだろうなあと、そのときに強く思ったからです。
会場に入ると、ステージの上にグランドピアノが一台ぽつんと置かれていました。これまでさまざまなコンサートへ行きましたが、このぽつんと感は初めてでとても新鮮でした。
日本ツアーのテーマは《抒情と熱情》です。演奏する曲は、前半がモーツァルトの「幻想曲」とベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第23番《熱情》」、後半はグリーグの「抒情小曲集」とチャイコフスキー(プレトニョフ編曲)の「くるみ割り人形」組曲でした。
私の姉は音楽大学出身ですので、クラシックがいつも流れている家庭で育ったのですが、これまで聞いたことがあったのは「くるみ割り人形」の一部ぐらいでしたが、辻井さんのピアノ演奏の素晴らしさはすぐに感じました。一音一音が丁寧に奏でられながら、流れるような滑らかな音なのです。また、激しく鍵盤を弾くときには、辻井さんのからだ全体に音が響き渡る様子が目に見えてわかりました。音が彼のからだから上空に突き抜けていくような感覚でしょうか。
アンコールは4曲でした。辻井さんは曲が終わるとピアノに手をかけながら、深くお辞儀し、にこやかな顔を上に向ける動作を、正面、左、右また正面と繰り返すのですが、純粋無垢なその姿は、とても感動的でもありました。また、これ以上アンコールはありませんという合図として、最後のアンコール曲が終わるとピアノの蓋を閉めるというお茶目なところもありました。
アンコールの3曲目は、自身が作曲した「川のささやき」という曲で、幼少期にお父さんと川沿いを散歩していたときに、川のせせらぎがささやきのように聞こえてきたという思い出から生まれた作品です。この曲は本当に川がささやいているかのような音の流れでした。とにかく滑らかで優しいのです。辻井さんには川のせせらぎがこのように聞こえていたのだなあと思うと、感慨深いものがありました。
ぽつんと感のあったステージ上のグランドピアノから奏でられた豊かな演奏も素敵でしたが、今度はオーケストラをバックに演奏する辻井さんのピアノを聞いてみたいと思っています。
with k 4E #517







