怒りの感情

怒りの感情

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

最近、支援者から相談を受けることが多くなっています。昨夜も支援対象者からのクレームで支援者が次々にメンタルダウンして、組織として機能しなくなっているので、その支援対象者に対してどのように対応すればいいかアドバイスをしてほしいというメールがありました。

私はフリーランスとして活動していますから、さまざまな組織や支援者からこのようなご相談を受けることがよくあります。支援者も人間ですから、完璧に支援を行うことは不可能ですし、怒りの感情を向けられると心身共に弱っていきます。そして、支援対象者を怒らせた自分は支援者として失格なのではないかと自分を責めてしまい、支援から離脱していくのです。

橘玲さんの『バカと無知』のなかに、「私たちの脳はきわめて高い感度の火災報知器のようだ」という表現がありますが、まさにそのとおりで、相手から脅威を感じると一瞬にして脳の火災報知器が発動し、怒りの感情が放出されます。自分を守るためには、相手をやっつけなければなりませんから、怒りという感情で相手と戦うのです。

怒りは二次感情と言われています。実は、その背景にはその人自身の問題が隠されています。不安感、ストレス、孤独感、プレッシャー、劣等感などの一次感情が積み重なって、ある日突然大爆発するのです。だから、怒りはその人自身の心の内側の問題で、向けられた相手の問題ではないことが多いのですね。

でも、怒りの感情は非常に大きいネガティブなエネルギーを持っています。怒りの感情は人間関係を壊します。怒りの感情を向けて、人間関係が壊れていないと思っているのであれば、それは相手を支配することに成功した証拠かもしれません。そして、支配された支援者は力を削がれ、疲弊していくのですね。

では、どうすればいいのか。それは、境界線を明確に引くのです。境界線には物理的境界線、心理的境界線、社会的境界線の3種類があると言われています。支援にはできることとできないことがあることを明確にし、怒りを向けられてもそれはその人の課題であると一線を画し、一定のルールを決めてそれを守ってもらうのです。もし、それを理解してもらえないようであれば、支援を行わないと決断することも必要なときがあります。つまり、支援対象者を他の適切な場所に手放すのです。

もちろんその決断を行うまでは、支援者にはベストを尽くしてもらいたいと思いますが、支援対象者が支援者を傷つける権利はありません。私は傷ついているのだから人を傷つけてもいいという論理は通らないのです。だから、平気で怒りを人にぶつけても許される人はどこにもいないのです。

ただ、私たちは専門家として対人援助をしていますので、怒りのメカニズムをよく理解し、その人自身が自らの一次感情に向き合えるようにエンパワメントする力を身につけなければならないのですね。さて、メールの返信をいたしましょう。

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